2010年頃からリケジョという言葉が使われ始め、今では女性エンジニアも珍しい存在から当たり前の存在になりました。
とは言っても、まだまだ全体数が少なく、キャリアプランや人生設計のロールモデルになるような先輩が職場にいないという事態も見受けられます。
今回は活躍する女性エンジニアの結婚・出産後のキャリアプランについて解説していきます。
悩みの多い女性エンジニア
ハードな仕事
企業にもよりますが納期間近になると終電まで残業なんてこともあるシステムエンジニア。
なりたかった職業とは言え、女性にとってハードな仕事は体力的にも厳しいです。
またそんなこともあってか、総務省が発表した2017年の『就業構造基本調査』によるとITエンジニアの女性の未婚率は20代で86%、30代で49%。一般事務の20代80%と30代38%に比べても高い傾向が出ています。
ロールモデルが少ない
また同2017年就業構造基本調査ではITエンジニアの中で女性の割合は全体の16%とまだまだ少ないのが現状です。
大企業では10人に1〜2人ほど女性がいるかもしれませんが、中小企業になってくると女性が全くいないという職場もあります。
このように先輩の女性社員が少なく人生のロールモデルがいないことも女性エンジニアにとって悩める問題です。
女性にとって結婚・出産はキャリアプランに大きな影響を与えます。
ロールモデルの不在によって、出産後も働き続けられるのかという不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
まずは人生設計を考える
では女性エンジニアとしてどのように人生設計をしていけば良いのでしょうか?
まずはどんな人生を歩みたいかを考えましょう。
明確な予定がない場合でも以下のポイントを踏まえて、現時点での希望をリストアップしていきます。
- 何歳くらいで結婚したいか
- 子供は何人くらい欲しいか
- どこに住みたいか
- どんな仕事に取り組みたいか
- 収入はどれくらい欲しいか
このようにリストアップすることによって客観的に自分を見つめ直すことができます。
その中で仕事、パートナー、子育てなど、何が自分にとって最も優先なのかを考えていきましょう。
また、彼との間で結婚の話が出ているようであれば、積極的に将来のことについて話し合うことも大切です。
彼が共働きを希望しているのか、あなたには家事をやってもらいたいのかでも話は変わってきます。
キャリアプランの例
次に、先ほど考えた重要事項を活かせるようなキャリアプランを考えていきましょう。
現代では女性の社会進出が普通になり、仕事か家庭かの二者択一ではなく、両立を目指したキャリアプランを組むことが可能です。
今、勤めている会社に満足していて、なおかつ多くの先輩女性社員がいて、産休・育休が充実しているなら問題はないでしょう。
しかしそうでない場合、転職やフリーランスに転向といった対策が必要になってきます。
それぞれのプランの特徴を見ていきましょう。
女性が活躍している会社へ転職
結婚・出産後も女性エンジニアとして活躍したいのであれば、福利厚生がしっかりした企業や、すでに活躍している女性がいる企業に転職することも一つの手です。
「えるぼし」認定をご存知ですか?
えるぼし認定企業とは、厚生労働省が認定した女性の活躍推進に力を入れている企業のことです。
採用、継続就業、労働時間等の働き方、管理職比率、多様なキャリアコースという評価項目があり、2020年10月時点で全国の1160の企業が認定されています。
こういった企業を転職の参考にしてみてもいいでしょう。
社内SEに転職
社内SEは主に自社のシステム開発から運用保守を行います。
仕事相手が同じ会社の社員であるため、孤独を感じずに心にゆとりを持って働くことができます。
また、一から新しいシステムを開発するというよりは、今あるシステムを管理することがメインの業務になってくるので、残業も少なく、定時で帰れることが多いのもメリットです。
フリーランスSEに転向
経験をある程度積んだら、フリーランスとして働くという手段もあります。
在宅フリーランスのデメリットとしては収入が不安定なこと、厚生年金や社会保険に加入できないことなどがあります。
しかしメリットとして自分で仕事量や作業量を調整できるので、妊娠中や出産後、育児中などには適していると言えます。
また、企業常駐のフリーランスという雇用形態もあります。
こちらは契約先の企業に出向いて働くスタイルで、週3〜4日勤務など自分に合った勤務条件を探すことができます。
女性エンジニアの結婚・出産後のキャリアについて解説しました。
人生設計は一度決めても修正が効きます。ときどき見返しながら修正していきましょう。
また、システムエンジニアは経験を積めば積むほどスキルアップしていく職業です。
様々な働き方の中から、自分の人生設計に合う働き方を見つけて、仕事と家庭の両立を実現していきましょう。